ダバダ火振りを知っていますか。
フジ子ヘミングを知っていますか、程には衝撃的な話ではなく
栗の焼酎のお話です。
焼酎ではそれほどメジャーでない高知県、四万十で、
しかしなにやら話題は全国クラスなこの焼酎を作り続ける、山奥にたたずむ無手無冠という会社は
肥大化した日本の企業がいまや最悪の連鎖を前に息も絶え絶えな世の中で
零細企業こそが最もよいとする酒蔵の業界の、真打のような存在です。
栗は芋にも良く似た味わいで、個性で勝負なら、ゴマや紫蘇の焼酎より衝撃的ではないですが、
あえて数量を規定して生産し、沢山の個人消費者と直接売買契約を結んだりと
アバンギャルドな経営は
酒好きな人間たちに酒以外の手法で訴えてくると言えます。
潔く、かっこよく、
分からないけど宵越しの銭を持たないような気がする。
社名の無手無冠の意味も、よくは理解できないまま、しかし染み入る言葉はないでしょうか、
”タイトルベルトなんか要らねえんだよ”な感じで。
やたら外郭に信望したい要素が多いが、
勿論酒にも一本ぶっとい筋が通ってる気がします。
いわゆるトロッと系ですが、しつこさもなく潔い。
こういう酒はロックでも美味いけど、
お湯割りでも酒の味が活きる。
また暖かくなったら今年も真っ赤な春かつおに
少々マヨネーズを垂らして頂きたい。
その時は、ダバダ火振りの焼酎を水割りで爽やかに飲みたい。